「あなたの強みや、あなたらしい個性を教えて!」
と聞かれたら、何と答えますか?
それを文章で伝えたいとき、どんなふうに書きますか?
もし、それをそのままストレートに書いているだけなら、
ちょっと損をしているかも!?
仮に、あなたが飲食店のオーナーシェフだとして、
HPにこんなメッセージ文を載せたとしましょう。
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はじめまして、代表の○○と申します。
一つひとつの料理を、心を込めて作ります。
趣味はツーリング、感動屋で涙もろい性格です。
みなさまのお越しを心よりお待ちしております!
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それなりに人間味も感じられて悪くはないんですが、
ここでいう「ストレートに書く」とは、
「そこで終わっている」パターンなんです。
ここから分かる強みや個性は
・心を込めて作っている
・ツーリングが趣味
・涙もろい
という3つですが、
それしか書いていないということですね。
じゃあ何を書けばいいの?という話ですが、
ぜひその個性を示す「エピソード」に触れてください。
それだけでも、かなり印象が違ってきますよ!
たとえばこんな感じです。
該当部分を少し修正してみましょう。
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はじめて家族に手料理を食べてもらったときの感動を胸に、
一つひとつの料理を、心を込めて作ります。
学生時代に仲間と日本一周したのがきっかけで、
今でもお休みにはツーリングを楽しみます。
感動屋で涙もろい性格です。
映画○○は5回観て15回泣きました。
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いかがですか?
ほんのワンセンテンスのエピソードですが、
より個性が際立ってきますよね。
印象にも残りやすいと思います。
エピソードがあると分かりやすくなるのは、
抽象的なものを具体的にすることで、差別化できるからです。
「抽象的」を辞書で調べると
「いくつかの事物に共通なものを抜き出して、
それを一般化して考えるさま」(大辞林)
とあります。
少し例を示してみます。
・電車でお年寄りに席をゆずる
・恵まれない子どもたちに寄付をする
・一晩中そばにいて、悩みを聞いてあげる
これらを抽象化すると、どれも「やさしい」と表現できますが、
人はつい、この抽象化された状態で伝えようとしてしまいがち。
「私はやさしいタイプです」と言ってしまうんです。
個性を伝えたかったのに、これでは逆効果ですよね。
抽象化するとは、最適化・共通言語化することだといえますが、
それは同時に無個性化することと同じなのです。
もちろん、抽象化によって複雑なものごとを端的にまとめることも
分かりやすさのひとつですし、それが求められるときもあります。
でも、個性を伝えたいときは逆。
「私はやさしいタイプです」と言われても、
なんだか普通で印象に残りませんよね。
どう優しいのか具体化された内容のほうが、個性が際立ちます。
最初に例示した
「心を込めて作る」
「趣味はツーリング」
「涙もろい」も、
実は抽象化されている状態なのがお分かりいただけるでしょうか?
だからぼんやりとしか伝わらないのです。
プロフィール文だとそこまで長文にはできないので、
ワンセンテンス加えるくらいがちょうどいいですが、
代表あいさつのようなメッセージ文なら
もっと詳細な部分に言及することもできるでしょう。
「個性を伝えるときは、抽象化→具体化」
「エピソードで伝える」
覚えておいて損はないです。
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