企業HPに「社長挨拶」「代表メッセージ」と称して掲載された文章
いきなりですが、下記の例文を読んでみて下さい。
一部改変しましたが、これらはすべて、企業HPに「社長挨拶」「代表メッセージ」と称して掲載された文章の冒頭です。
(例1)不動産業
リーマンショックに端を発した世界同時不況は、デフレ・雇用などの社会不安を招き、未曾有の荒波のなか…
(例2)建設業
建設業界は年々厳しい受注環境に陥り、着工数前年対比○%にまで減少するなど、政権交代による基本政策変換の影響も多大に受け…
(例3)製造業
当社は昭和20年の創業以来、先端と熟練技術の融合により、お客様に安全と安心をお届し続け60余年。平成20年にはISO9001を取得し…
これらを読んで、あなたは何を感じるでしょうか?
「何を感じるか」というよりも、
「何も感じない」といったところかもしれませんね。
文の冒頭だけならまだしも、こういった文章の多くは、
その後もツラツラとそんな話が続き、
「~というわけで、頑張りますので宜しくお引き立てください」
で締めくくられてハイ終わり、という内容が一般的です。
正直言って、そんな社長挨拶は読んでも心を打ちませんし、
小難しくて文章の意味も良く分からないものが多いですよね。
ところが世の中には、こういった紋切り型の「社長挨拶」が
驚くほどたくさん出回っています。
ちなみに「社長挨拶 リーマンショック」でGoogle検索をかけると、
(例1)のような文章が、もう出るわ出るわ。その数88,300件のヒット!
こうも多いと、もう笑うしかないというか、失礼ながら
「あなたたち、もっと他に伝えるべきことはないのですか?」
と、感じてしまいます。
本来「社長挨拶」や「代表メッセージ」とは、
文字通りお客様への「挨拶」であり「メッセージ」。
経営者・企業としての理念や使命感、夢などを伝える場です。
社会の現状を解説したり、厳しい環境を懸念してみたり、
会社の歴史年表のようなものを淡々と述べたりするのは、
他でやればいいんじゃないの?と思いませんか?
このようなパターンは、大企業HPの社長挨拶に多い傾向が見られます。
企業としての社会的立場、格、体面上の問題から、
あまり奇抜なことは書けないというのが実情なのでしょうね。
それは仕方ないとも思えるのですが、注意したいのは、
そういった「大企業っぽい社長挨拶文」を、
中小企業や自営業者がマネしないほうが良い、ということです。
しかしそれでも、そんな書き方をしている社長さんは少なくありません。
当り障りのない挨拶文にすることで、自社を「マトモ」に見せて
信用を得たい、という考えがあるのかもしれませんね。
確かにその気持ちは良く分かりますが、
あまり効果的な方法とは言えないでしょう。
やはり、小さな会社・お店が、お客様や市場から信用を得るためには、
「どんな人が、どんな想いで、何のために」やっているのかという、
人柄・心意気への「共感」が特に欠かせません。
お客様にとって、社長やオーナーの人物像と、
その会社・お店はイコールな存在なのです。
社長の想いや会社の理念が、お客様の心の琴線に触れ、
「この社長さん、この会社を応援したい」
「こういう考えで経営している会社の商品なら、安心できそうだ」
「どうせ買うなら、この人から買いたい」
という気持ちを抱いてもらえることが大事です。
少なくとも、リーマンショックだのサブプライムだのの
解説を聞いたところで、そんな気持ちにはなりませんよね?
小さな会社・お店にとって、HPの社長挨拶や代表メッセージは、
ファンを掴む絶好の機会です。
あなたの会社やお店でも、ぜひそこを見直してみて下さい。
いま、HPにそのコンテンツを作っていないという人は、
ぜひ作ってみて下さい。できれば写真付きで。
繰り返しになりますが、
コツは時勢や業務内容や年表を「説明」するのではなく、
あなたがどんな人間で、どんな想いで、誰のため、何のために
その仕事をしているのかを「語りかける」こと。
その想いが社会的・道徳的に真っ当なものであれば、
それに共感し、応援してくれるお客様は必ず現れますよ!
そんなこと言っても、自分で書く時間もないし、
想いをまとめるのは大変!という方は物語ライティングに連絡ください。
誰に何をどう伝えるといいか、一緒に考えていきましょう!