「AIでいいじゃん」と言われないために。これからのライターに必要な3つのこと
AIの波に飲まれそう!ライターの叫び

ここのところライターさんから、こんな相談をよく受けます。
「ライターの仕事はAIに奪われてしまうのでは?」「どうやってAIと付き合っていけばいいですか?」「AIに負けない文章ってなんでしょう?」
フリーランスのライターなら誰もがそんな不安を抱えているかもしれません。
実は私も同じなんです。AIの進化を目の当たりにするたび、「このまま自分の仕事はなくなるんじゃないか」という不安に襲われます。でも、最近あるお客様からの連絡が、その不安を別の景色に変えてくれました。
リピート依頼の裏にあった「AIには書けない理由」
先日、以前取材でお世話になったお客様から再び依頼をいただきました。正直、驚きました。今の時代、AIツールを使えば、もっと安く、もっと速く記事は作れるはず。なぜ、わざわざまた私に?
「今はAIでも文章が書ける時代ですが、どうして再度ご依頼いただけたんでしょうか?」
その疑問をストレートにぶつけてみみたところ、こんな返事をいただきました。
「確かにAIでも文章は書けます。でも、あの時の取材で、自分の考えが整理されたんですよ。話しているうちに、自分が本当に伝えたいことが見えてきた。初心に帰ることができたんです。だから、もう一度お願いしたいと思ったんです」
さらに、こんな言葉もいただきました。
「温かい文章にしたいんです」
その瞬間、何かが腹に落ちました。AIが書く文章と、人が紡ぐ文章の間には、確かに「何か」が存在している。その「何か」こそが、これからのライターに必要なものなんだ――そう確信したんです。
AI時代のライターに必要な3つのこと
では、具体的に何が必要なのか。3つの本質的な要素をお伝えしますね。
1:対話を通じて「想いを引き出す力」

AIは、与えられた情報から文章を生成することには長けています。でも、人の頭の中にある「まだ言葉になっていない想い」を引き出すことはできません。
取材の場で、私たちライターがやっているのは、単なる情報収集ではないんです。相手の話に耳を傾け、言葉の端々に隠れた本音をすくい上げ、「あなたが本当に言いたいのは、これじゃないですか?」と問いかける。その対話のプロセスそのものが、クライアントにとって価値になっていく。
考えてみてください。誰かに話を聞いてもらって、「ああ、自分はこう思っていたんだ」と気づいた経験はありませんか?私たちライターは、その「気づき」を生み出す存在でもあるんです。
AIには、この「対話による化学反応」は起こせません。なぜなら、AIには「あなた自身の物語」がないから。共感も、驚きも、沈黙の重みも理解できない。でも、人間であるライターには、それができる。血の通った対話ができる。相手の目を見て、声のトーンを感じ取って、言葉にならない想いまで受け止められる。そこにこそ、私たちライターの存在意義があるんじゃないでしょうか。
2:「温かさ」という名の、見えない価値

「温かい文章にしたい」――このお客様の言葉が、ずっと心に残っています。
温かさって、何でしょうか?文章の向こう側に「人」がいることを感じられる、あの感覚。それが温かさなのでは?
AIが生成する文章は、確かに整っています。論理的で、読みやすく、情報も正確。でも、そこには「書き手の息づかい」がない気がします。迷いも、ためらいも、情熱もないと思うんですよね。
一方で、人が書く文章には、その人の体温が宿ります。「この一文、どう伝えたら響くだろう」と悩んだ痕跡。「読者に寄り添いたい」という想い。そういった目に見えないものが、行間に滲み出てくる。
それが、温かさの正体なんじゃないでしょうか。
読者は、想像以上に敏感です。文章の向こうに「人」がいるか、それとも「機械」があるだけなのか、無意識に感じ取っています。だからこそ、私たちライターは「人であること」を恐れずに、むしろ積極的に文章に刻んでいくべき。
取材文だったら、相手の人柄や雰囲気が感じられるように文章を作っていくべきなんです。
3:「物語」として編む構成力

AIは情報を並べることはできます。でも、それを「物語」として編むことは、まだ苦手です。
もちろんAIも情報を与えれば、それなりの物語は書けます。でも、読み終わったあとに心に残るものが少ないと感じるのは私だけでしょうか?
人が紡ぐ物語には、読者の感情をそっと揺さぶる「間」があります。そして何より、「どうしてもこれを伝えたい」という書き手の想いが、文章全体に温かく流れている。
私たちライターは、情報を「ただ伝える人」ではなく、情報に命を吹き込んで「物語として届ける人」でありたい。読者が最後まで読み終えたとき、「何か大切なことに気づいた」「前に進めそうな気がする」――そんな体験を届けられるライターでありたいと思うんです。
AIと共存する未来で、ライターが選ぶ道
AIはライターの「敵」ではありません。むしろ、私たちが本来やるべきことを浮き彫りにしてくれる「鏡」なんだと思います。
AIが得意なこと――情報収集、データ分析、文章の構成や下書き――は、どんどん任せればいい。私たちライターは、AIには決してできない領域に、もっと深く踏み込んでいけばいい。
それは、人と対話し、想いを引き出すこと。温かさを文章に宿すこと。そして、読者の心を動かす物語を紡ぐこと。
AIに仕事を奪われるんじゃないかという不安。それは、誰もが抱く当然の感情です。でも、その不安を「自分の価値を見つめ直すきっかけ」に変えることができたなら、きっと道は開けます。
まとめ
AI時代のライターに必要な3つの力は
- 対話で想いを引き出す力
- 温かさが伝わる文章力
- 心を動かす物語の構成力
もし今、AIとの共存に不安を抱えているライターがいるなら、どんどん人と会って取材力を磨いてほしい。すぐに打ち解ける力、本音を引き出す力、そんなコミュニケーション力を最大に発揮してAIに負けないライターになってほしいと思います。
